公認スポーツファーマシスト

公認スポーツファーマシストとは?

世界的なアンチ・ドーピングの流れを受け、本資格は2009年に発足しました。特に「意図しないドーピング」を防止することが期待されています。病院で処方される薬だけではなく、薬局で入手できる大衆薬や栄養剤、サプリメントにも禁止物質が含まれていることがあり、薬剤師としてこれらの使用を未然に防ぐことが求められます。さらに、今後はプロのスポーツ選手だけでなく、学校教育の中で正しい薬の使い方を教えたり、運動をする中高年のケアを行うなど、薬と健康の在り方を身近な場所からアドバイスできる専門家として活躍の場が広がる資格です。

公認スポーツファーマシスト

取得は意外にも簡単でした。

取得のきっかけ - スポーツドクターも勤務する整形外科が目の前の薬局。当然、取得者が必要でした。

この資格ができるずっと以前から、日常的に「この薬、ドーピング大丈夫ですか?」と聞かれるような環境の薬局が私の勤務先です。目の前に整形外科があり、日常的にスポーツ選手がいらっしゃるのです。その整形外科にはスポーツドクターがいらして国体にも行くような関係ですので、認定制度ができた初年度から薬局として取得を目指していましたが、募集定員があり認定のための講習会を受けるには抽選に通る必要がありました。初年度は申し込んだ全員が抽選漏れ。2年目に新人だった私がかろうじて抽選にあたり、資格取得にチャレンジした、というわけです。

難易度 - 試験自体は非常に簡単。周辺知識も事前の講習会で得ることができます。

この資格を取得するにはまず、薬剤師の資格が必要です。年齢などは問われませんので、いくつになってもチャレンジできます。受講申し込みをしたら、基礎講習会と実務講習会を受講、その後「知識到達度確認試験」をパソコン上で受験し、合格したら認定申請ができます。薬剤の知識そのものは学校で学んだことよりずっと易しいレベルで大丈夫ですが、ドーピングに関する法律や制度、申請の仕方などの周辺知識も身に付けなくてはなりません。ただ、それに関しても講座受講時にいただくテキストを読み込めば大丈夫。

私の実感としては、とても簡単でした。

取得後 - 仕事の内容そのものは変わりませんが、自己研鑽の姿勢を評価されていると思います。

もともとスポーツ選手の方からご相談を受けることも多かったので、私自身は資格を取った後も仕事内容とか待遇が特に変わったわけではありません。資格を取る努力、日常的な自己研鑽を行っていますよ、というアピールにはなっていると思いますが。ただ、学生さんも含めスポーツ選手の方は非常に大きなリスクと隣り合わせにいます。日本には『うっかりドーピング』が多いと言われていますが、たとえばOTC薬品や栄養ドリンクの成分にドーピングに引っ掛かるものが入っていたりもします。スポーツドクターが処方してくださるような病院薬であれば安心ですが、病院にかかる時間もなかったり、差し入れでいただいたものの中にリスクがあったりするのです。私たちスポーツファーマシストは身近な相談役として、選手のリスクを取り除くためのお役に立てると思います。

この資格を目指す方へ - 華やかそうな資格にも見えると思いますが、現実は厳しい側面もあります。

カタカナで柔らかそうな資格ですし(薬剤師に関わる資格って、漢字のものが多いですよね)友人からも「取ろうかな」と相談も受けるのですが、実際資格を生かせる場面は他の資格に比べると少ないかもしれません。スポーツ選手が日常的に身近にいる環境って、たぶんあまりないですよね。あと、選手の方も具合が悪くていらっしゃるのでコミュニケーションには非常に神経を使います。私たちはお薬を飲んで早く治していただきたいと考えますが、選手の方は基本的にはお薬を飲まずに済ませたい、とお考えになりますし。

ただ一方で、私自身は資格を取得することはより専門性を上げ、患者さんのお役にたてることとも思っています。実は私、漢方薬・生薬認定薬剤師の資格も持っていて、こちらの知識を生かしてお年寄りに丁寧に説明をすることでとても喜んでいただけることが、仕事の喜びなんです。

お年寄りもたくさんいらっしゃる薬局で、実はリウマチの処方にも詳しいので、リウマチの専門薬剤師資格ができればいいのになあ、なんてことも考えます。資格はがんばった証し、いつも勉強しているよ、と、皆さんにアピールできるものだと思うからです。

公認スポーツファーマシストの取得方法

公認スポーツファーマシスト 取得条件

試験 会員・勤務歴・他の認定の有無 研修単位
基礎・実務講習受講
論文 学会発表 症例 更新(年)
4

公認スポーツファーマシストに関するお問い合わせ

認定団体WEBページ
日本アンチドーピング機構

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