糖尿病薬物療法准認定薬剤師
糖尿病薬物療法認定薬剤師
糖尿病薬物療法准認定薬剤師
糖尿病薬物療法認定薬剤師とは?
2012年に設立された日本くすりと糖尿病学会は、糖尿病の薬物療法に関する知識と技能を修得し、チーム医療に貢献できる薬剤師を育成する目的で糖尿病薬物療法認定薬剤師制度を設立。糖尿病の予防・治療においては、インスリン自己注射や自己血糖測定をはじめ、低血糖やシックデイへの対応など、薬剤師によるセルフマネジメントの指導が重要となっています。また、糖尿病分野は相次ぐ新薬の登場により、薬物療法が複雑化しています。糖尿病薬物療法認定薬剤師には、薬の専門家として糖尿病の薬物療法に関する医療・教育・研究分野での幅広い活躍、病院、地域の薬局における質の高い技能の提供が期待されています。
糖尿病薬物療法准認定薬剤師
糖尿病薬物療法認定薬剤師インタビュー
セルフマネジメント指導の技能を磨き、糖尿病治療に貢献できる病院、薬局薬剤師の育成を目指して
立ち上げの経緯 - 学生時代に実感した教える喜びが取得のきっかけに
― 日本くすりと糖尿病学会の設立の背景について教えてください。
糖尿病の療養指導は、現在のようなチーム医療が確立する以前から医師や看護師、管理栄養士が多職種で関わっていました。北里大学病院では、そのひとつとして、患者さんや家族を対象にした糖尿病教室を開催していました。それまでの薬剤師は調剤業務や単独での服薬指導が業務の中心でしたが、糖尿病療養指導の「実践」「教育」「研究」により一層力を入れる必要があると考え、薬剤師の全国的なネットワークに参画するとともに、都内で糖尿病専門領域研究会を始めました。
近年、新しい作用機序を持つ医薬品の開発が進み、薬物療法はより複雑になっています。がんや感染症、腎疾患、緩和ケアなど、多くの専門領域に特化した薬剤師の学会が設立され、専門薬剤師の認定も開始しました。糖尿病領域においても、2009年にDPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬などの新薬が次々と登湯し、糖尿病薬物療法のターニングポイントを迎えました。より一層、薬剤師による組織的な取り組みが必要になると考え、自主的な薬剤師のネットワークを発展させる形で日本くすりと糖尿病学会を設立しました。
― 糖尿病薬物療法認定薬剤師の学会認定資格制度を立ち上げた経緯を教えてください。
糖尿病療養指導分野では、2001年に認定制度が始まった日本糖尿病療養指導士(CDEJ)があります。CDEJは、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士に受験資格があり、薬剤師も現在約3,000人(2016年6月現在)が資格を取得しています。
CDEJは食事療法、運動療法、薬物療法をはじめ、糖尿病療養指導全般を学びます。複雑化する糖尿病の薬物療法においては、より深い知識と実践能力を持つ薬剤師を対象にした認定資格が必要だと考えました。また、糖尿病はかかりつけ医のもとで治療を受ける患者さんが多く、服薬管理や指導においては地域の薬局の薬剤師の役割が重要といえます。しかし、薬局薬剤師にはCDEJの受験資格がありません。そこで薬局の薬剤師にも門戸を広げ、教育や研修体制の強化を図り、高い専門性、スキルを持つ薬剤師を育成することを目的に、学会独自の認定資格制度を設立しました。
近年、新しい作用機序を持つ医薬品の開発が進み、薬物療法はより複雑になっています。がんや感染症、腎疾患、緩和ケアなど、多くの専門領域に特化した薬剤師の学会が設立され、専門薬剤師の認定も開始しました。糖尿病領域においても、2009年にDPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬などの新薬が次々と登湯し、糖尿病薬物療法のターニングポイントを迎えました。より一層、薬剤師による組織的な取り組みが必要になると考え、自主的な薬剤師のネットワークを発展させる形で日本くすりと糖尿病学会を設立しました。
認定薬剤師の役割 - 知識や服薬指導における態度、そして何よりも技能
― 学会認定薬剤師にはどのような役割が求められるのでしょうか?
糖尿病薬物療法認定薬剤師制度は新しい制度であり、そのなかで重視しているのは、知識や服薬指導における態度、そして何よりも技能だと考えています。
糖尿病の薬物療法においては、インスリン製剤の品質管理から適切な操作、自己血糖測定による血糖モニタリングなど、薬剤師による説明と安全で継続的なサポートが求められています。
同時に低血糖時やシックデイなどへの対応についても患者さんに十分な説明ができる技能も必要となります。そのため、学会では医師にも加わってもらい、症例に基づいたスモールグループディスカッション形式による技能研修会を開催しています。認定薬剤師の受験申請は、この自己注射手技指導及び服薬指導の技能研修会への参加を必須要件にしています。
薬剤師に期待されていること - 薬局のなかで患者さんが来るのを待つのではなく、地域の人材資源として活躍してもらいたい
― 糖尿病治療において薬剤師に期待されていることは何でしょうか?
糖尿病治療においては、薬剤師にも食事、運動など、患者の生活習慣を踏まえたセルフマネジメントの指導が求められる時代です。その成果を示していくことが薬剤師の存在価値を高めることにもつながります。薬剤師による取り組みの成果として知られているのが、アメリカノースカロライナ州アッシュビル市のアッシュビルプロジェクトです。これは、患者さんが定期的に薬剤師による服薬指導や療養指導を受けることで薬剤費の自己負担を無料にする取り組みです。薬剤師による指導によって患者さんが病気や薬剤の知識を身につけることができ、服薬コンプライアンスの向上、医療費削減にもつながりました。日本においても医療費の抑制や重症化予防は大きな課題であり、学会では、薬剤師の介入による成果を示す取り組みも進めていけたらと考えています。
薬局薬剤師にはどのようなことを期待していますか?
病院だけでなく、地域の薬局の薬剤師にも専門性が求められる時代になるのではないでしょうか。専門性を持つことは、患者さんだけでなく、地域の開業医からの信頼にもつながります。
薬局のなかで患者さんが来るのを待つのではなく、地域のクリニックで行っている糖尿病教室や患者会などに参加して地域の人材資源として活躍してもらいたいと考えています。
糖尿病薬物療法准認定薬剤師
糖尿病薬物療法認定薬剤師の取得方法
糖尿病薬物療法准認定薬剤師 取得条件
試験 | 会員・勤務歴・他の認定の有無 | 研修単位 | |
---|---|---|---|
無 |
実務5年 学会員歴2年 |
3年で30単位以上、または指定の認定制度を取得している場合は20単位以上 5年以内での全基礎編技能研修会の参加 |
|
論文 | 学会発表 | 症例 | 更新(年) |
無 | 無 | 無 | 5 |
糖尿病薬物療法認定薬剤師 取得条件
試験 | 会員・勤務歴・他の認定の有無 | 研修単位 | |
---|---|---|---|
有 | 准認定薬剤師としての会員歴2年以上 |
2年で20単位 5年以内での全アドバンスト編技能研修会の参加 |
|
論文※ | 学会発表 | 症例※ | 更新(年) |
3編以上(うち、1編は筆頭者) ※どちらかを満たすもの |
1回以上(筆頭発表者) | 10 | 5 |
糖尿病薬物療法准認定薬剤師
糖尿病薬物療法認定薬剤師に関するお問い合わせ
- 認定団体WEBページ
- 一般社団法人日本くすりと糖尿病学会