漢方薬・生薬認定薬剤師

漢方薬・生薬認定薬剤師とは?

漢方薬・生薬に関する専門的な知識、知見、能力のある薬剤師であることを認定する資格です。日本薬剤師研修センターと日本生薬学会の連名で認定を受けます。漢方薬は複数の生薬を組み合わせて構成されているため、一つの漢方薬で複数の症状に効果を示します。どのように飲むのか、飲み合わせはどうなのかといった、服薬指導が大切になります。サプリメントやハーブなど自然由来の健康食品が注目を集める中、漢方薬・生薬認定薬剤師に求められる知識・経験も幅広いものとなっています。

漢方薬・生薬認定薬剤師インタビュー

専門性を深めると関われる患者さん・医療関係者が増える。
漢方という専門性は、「人」全体を見通すことができるのです。

取得のきっかけ - 学生時代から関心のあった生薬を深く、幅広く学びたい。

漢方薬・生薬認定薬剤師の研修は単に漢方について学ぶのではなく、生薬の化学的成分の話からその歴史、世界での薬物療法の変遷、サプリメントのことや生薬の大半を輸出している中国の資源確保にまでその講義内容は及びます。これは、薬剤師が単に薬剤の事だけではなくハーブも含め様々な健康食品を使う人の様々な疑問にお答えしていくための幅広い知識を身に付けることが必要だからです。生薬への関心からこの資格を取得しようと思ったわけですが、非常に幅広い知識を身に付けることができました。

難易度 - 漢方に興味があるのであればぜひチャレンジを。生薬の知識がベースにあるのでなじみやすいはず。

この資格を取るために、薬剤師の資格は必須です。その上で、「漢方薬・生薬研修会」(9回の講義研修会と1回の薬用植物園実習)に参加後、試問を受けます。合格したら、必要書類を研修センターへ提出すると、日本生薬学会及び公益財団法人日本薬剤師研修センターが合同で認定薬剤師証を発行します。更新にあたっても研修参加、単位取得が必須で、常に自己研鑽する必要がある資格です。

ただ、薬剤師は大学で生薬学も学んでいますので、他の職種に比べると漢方に関しては自分のものになりやすいと思います。漢方医師も世の中にはたくさんいますが、その医師に対し自信をもって処方提案ができるようになります。

取得後 - 病院勤務中も保険薬局開局後も、自信を持って服薬指導ができるようになりました。

資格を取ったのは約10年前、病院勤務時代でしたが、資格を得ることでより自信を持って服薬指導に当たることができるようになりましたね。勤務していた病院では、男性の不妊治療にもあたっていたのですが、漢方的立場から処方アドバイスなどもし、医師と連携して療法にあたりました。定年退職後は大学教員の声もかかったのですが患者さんにより近い立場にいたいと考え、保険薬局開局を決意。ここでも、いろんな症状を訴える患者さんに、様々な漢方のアドバイスで応えています。お一人おひとりにしっかり向き合ってお話ができますから、病院で処方された薬を、よりその方に合うものに変えていただけるよう先生にお話をしたり。漢方では「証(しょう)」というのですが、熱の有り無しから始まって声の張り、体格、筋肉質なのかそうでないのか、日常生活の送り方まで入り込んで、どういった状況でこういう体質になっているのか、根本的なところに入り込んだ上で処方を考えます。熱があるから解熱剤、といった対処療法ではなく、原因は何かというところから掘り下げます。漢方という専門性を持っているおかげで、「人」全体を見通すことができるのです。

この資格を目指す方へ - 何でもいいから専門性を持とう。薬剤師は、専門を掘り下げることで幅を広げる事ができる仕事。

「このことについては自分に聞いてもらえばいい」、という専門性を持つとよいと思います。そうすることで、他の医療関係者や患者さんとのかかわりが深まり、様々な分野の深い知識、経験を得ることができます。その経験を積み重ねることで、将来は幅広く深い知識を持つ薬剤師になれるのです。私は今、63歳。生涯現役を貫こうと思っています。薬剤師は、臨床的な経験を積み重ねることでさらに価値ある提案ができる、発展性のある仕事だと思います。

漢方薬・生薬認定薬剤師の取得方法

漢方薬・生薬認定薬剤師 取得条件

試験 会員・勤務歴・他の認定の有無 研修単位
漢方・生薬研修会への参加
論文 学会発表 症例 更新(年)
3

漢方薬・生薬認定薬剤師に関するお問い合わせ

認定団体WEBページ
日本薬剤師研修センター

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