国家試験当日までのスケジュール
全科目をこなすためには、月ごと、日ごとのスケジュールを立てる
国家試験の範囲は膨大。「どこから手を付けていいかわからない(泣)」。という不安を感じるのはみんな同じです。薬剤師国家試験当日までのスケジュールを、一緒に立てていきましょう。
スケジュールを立てるポイント
科目数が多いため、気になる科目ばかりやってしまうのはいけません。
今日は薬理、明日は薬剤、あさっては基礎と、まんべんなくやっていきましょう。
苦手な科目を一人で始めてしまうと、すぐにわからなくなってしまいます。
学校の授業や予備校の講習会に参加して、復習からスタートしましょう。
薬剤師国家試験当日までのスケジュール例
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国家試験の傾向と対策
必須問題の傾向と対策
必須問段は難易度が低いため、この必須でどれだけ稼げるかで、合否が決まります。
また、必須問題は足キリが5割と設定されていますので、基礎をきっちりと理解して、確実に点を取っていきましょう。そのためには、夏休み中に必須対策(基礎固め)をやっておきましょう。
必須問題の中で、最大の難関は物理・化学・生物。
足キリはこの3つを足して判定されますので、どうしても物理がダメ!という人は、化学と生物で挽回。
化学がダメ!という人は物理と生物で挽回。
もし3つともダメという人は、生物を頑張って。生物は薬理や治療にも繋がるので、生物を勉強してください。1度の勉強で3度役に立ちます。
必須問題 生物問題例
第100回 問11
正答率:96.5%
- 下図の器官Aから放出される代表的なホルモンはどれか。1つ選べ。
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- ①成長ホルモン
- ②チロキシン
- ③グルカゴン
- ④甲状腺刺激ホルモン
- ⑤アルドステロン
器官Aの構造は、甲状腺である。甲状腺にはろ胞細胞や傍ろ胞細胞が存在し、ろ胞細胞は甲状腺ホルモン(チロキシン、トリヨードチロニン)、傍ろ胞細胞はカルシトニンを分泌する。
- ① ✕:成長ホルモンは、脳下垂体前葉より分泌される。
- ② ○:チロキシンは、甲状腺のろ胞細胞より分泌される。
- ③ ✕:グルカゴンは、膵臓のランゲルハンス島α(A)細胞より分泌される。
- ④ ✕:甲状腺刺激ホルモンは、脳下垂体前葉より分泌される。
- ⑤ ✕:アルドステロンは、副腎皮質の球状層より分泌される。
- 解答
- ②
- 解答率
- ①(0.5%)
- ②(96.5%)
- ③(0.2%)
- ④(2.2%)
- ⑤(0.1%)
一般問題の傾向と対策
一般問題は、化学・生物・病態治療の難易度が特に高く、薬剤師としての提案が必要な問題、思考・思案が求められる問題が多いです。生物は薬理と治療の基礎となるので、しっかりと身につけましょう。
また、計算問題や図表やグラフといった素材が与えられ、そこから正解を導き出す問題も増えています。
一般問題では過去問題の知識をベースに思考力を試されるため、合格ラインに到達するためには、得た知識を応用できるレベルにまで高めておきましょう。
特に複合問題において、臨床での具体的事例を考えさせられます。
実践場面を意識した問題が増えているので、実習で得た知識や経験を絡めて覚えていきましょう。
実践問題例
5年生で行った実習は「実務」の問題として出題されます。覚えていますか?
病院実習、薬局実習に行った時の仕事の流れを思い出してください。一つ一つの作業に意味があり、名称があるのです。
第100回 問327
正答率:95.0%
- 病院内において薬剤師が行う医薬品の管理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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- ①医薬品管理の主な目的は、品質の保証された医薬品を安定供給することである。
- ②ロット番号の管理は、健康被害拡大防止を目的とした医薬品の回収時に役立つ。
- ③一定数量を病棟に配置し、使用分を補充する方法を発注点方式という。
- ④経過措置品目に指定された医薬品は、告示された翌日から保健医療で使うことができない。
- ① ○:薬剤師には、医薬品購入から最終使用段階に至るまで、以下のような環境整備が求められる。
- 1.品質が保証された純良な医薬品を購入する
- 2.医薬品個々の保管条件に合わせた正しい管理をする
- 3.医薬品の特性に基づき適正に使用する
- ② ○:ロット番号(製造番号又は製造記号)は、同じ製造所で、同じ製造条件(製造費、同一原料、同一製造工程等)を経て、製造されたものごとに同じ番号がつけられる。よって、感染症等が懸念される生物由来製品に関しては、小容器であろうと省略することができない。
- ③ ✕:発注点方式とは、在庫量が設定量まで減少した時点(発注点)で一定量を発注する方法である。常に一定の範囲内の在庫量を維持できるが、定期的に発注点を見直す必要がある方法である。
- ④ ✕:告示された期間は保険適用が可能である。経過措置品目とは、医療事故防止等を目的として名称表示が変更された医薬品や、医療上需要がないため供給を停止する医薬品等を対象に、医療機関の在庫や周知期間を考慮して、直ちに薬価基準から削除とはならずに経過措置期間が設けられる医薬品である。経過措置品目と経過措置期間は厚労省告示により指定されるが、期限後は薬価基準から削除される。
- 解答
- ①,②
- 解答率
- ①(96.2%)
- ②(98.5%)
- ③(2.7%)
- ④(2.2%)
模擬試験にチャレンジ
前日の過ごし方、150分間集中することの大変さ、時間配分など、当日慌てないために、模擬試験には積極的に参加して、場馴れしていきましょう。年内模試は勉強進捗確認、年明けは成果確認のために受けてください。
また、模擬試験は合格判定をみるのではなく、これから自分がやるべき課題を見つけるもの。平均正答率が高いのに自分が間違えてしまった問題は、要注意!もう二度と間違えないように、必ず復習して知識にしてくださいね。